ER-Xのルーティング スループット

安い、早い、小さい、多機能という一部のマニアでは人気のUbiquiti ER-Xですが、設定回りに関して記載するサイトは多いですが、性能面でどの程度現在でも戦えるのか興味があったので、各種スループットを計測してみました。なお、我が家では以前はsite-to-siteのVPNルーターとして主力で使っていたものの、1年ほど前に上位機種のER-4に入れ替えたので、ER-Xは予備用と各種テスト用に利用しています。

今回は単純ルーティングのスループットを計測してみます。

計測環境

Basic Setupでセットアップした環境(eth0はWAN用ポート、eth1-4はLAN用のスイッチポート)をベースに、eth4だけスイッチの配下からはずし、スイッチポートの一つとして構成されているeth1にCentOS7 Aをクライアント、eth4にCentOS7 Bをサーバーとして配置し、iperf3を実行しスループットの測定を行います。ER-Xのファームウェアはv1.10.9となります。

計測結果

CentOS7 Aでのiperf3の実行結果が以下となります。-Mオプションを使ってMSSを変えてテストを行っています。TAP-TST10での目測値で、無負荷時の消費電力は2.6Wとなります。

offloadなしの場合 sender
MSS Mbps CPU 消費電力
1460(指定なし) 237 35% 3.3W
1200 154 36% 3.2W
800 130 33% 3.2W
400 51.0 35% 3.1W

ダメダメですね。でもこの結果はハードウェア(offload)支援なしの計測です。ちなみに、CPU負荷はWeb管理画面での表示値でかなり変動があるので目安です。次はER-Xの真の実力を測るべく、offloadあり(hwnat=enable)で計測します。

offloadありの場合 sender
MSS Mbps CPU 消費電力
1460(指定なし) 934 1% 2.7W
1200 922 1% 2.7W
800 886 0% 2.6W
400 798 0% 2.6W

余裕の900Mbpsオーバー。すげーぞ、ER-X。感動した!!

hwnatを有効にすると全く別人です。RTX1210の結果をやや下回りましたが、RTX1210は実売価格がER-Xの10倍くらいでしかもCPU負荷が高い、一方ER-Xはハードウェア支援があるため高スループットでも涼しい顔をしています。ローカルルーター的な使い方では、市販のルーターの中でもたぶん最小に近い筐体で場所を取らない、消費電力が低い、安いとER-Xは最強です。タグの扱いができるスイッチ代わりにも使えるので、一家に一台は持っておきたいアイテムですね。

ER-XのConfig

検証に使ったConfigは以下の通りです。全部書くと長くなるので今回の検証に使った部分に限定しています。

set interfaces ethernet eth4 address 192.168.200.1/24
set interfaces ethernet eth4 description LAN2
set interfaces switch switch0 address 192.168.100.1/24
set interfaces switch switch0 mtu 1500
set interfaces switch switch0 switch-port interface eth1
set interfaces switch switch0 switch-port interface eth2
set interfaces switch switch0 switch-port interface eth3
set interfaces switch switch0 switch-port vlan-aware disable
set system offload hwnat enable

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