ANBE SATA 3.0 SATA 6Gb/s 拡張カード(ASM1061)を試す
Windows 10でのファイルサーバー又はFreeNAS on ESXiでの活用のために、Amazonで格安で売られているANBE SATA 3.0 SATA 6Gb/s 拡張カードを買ってみました。2020年7月時点では1,000円前後で売られています。聞いたことのないメーカーなので恐らく中華製でしょう。
初期状態でフルハイトのブラケットが装着されていますが、ロープロファイルのブラケットも付いてます。なお、ドライバディスク等は付いてませんでした。
SATAコントローラーはASM1061となります。
Windows 10での動作検証
検証に使った環境は以下となります。
OS | Windows 10 Pro 2004 19041.388 |
Mother | Asus H270M-PLUS (BIOS 20200108 1605) |
CPU | Core i7-7700K |
Memory | ADATA DDR4 2400 8GBx2 |
PSU | KRPW-TI500W/94+ |
SSD | M.2 WD Grenn 240GB |
Cooler | 虎撤2 |
Chipset Driver | 20200507 10.1.18383.8213 |
Display Driver | 20200626 27.20.100.8336 |
LAN Driver | 20200615 25.1.1 |
Intel ME Driver | 20190326 1909.12.0.1236 |
Audio Driver | 20171228 6.0.1.8273 |
Intel RST | インストールなし |
BIOS設定 | EPU and Performance Mode→Max Power-Saving Mode |
起動時に表示される画面からすると、Firmwareのバージョンは4.20の模様です。Windows 10 2004ではドライバのインストールなしに、「標準 SATA AHCIコントローラー」として認識されます。
不具合発生
接続ディスクはSeagate ST4000DM000と、Western Digiral WD30EZRXで試してみましたが、どちらも
- クイックフォーマットがなかなか終わらない
- Windows 10の実行中にディスクを見失うことがある
- 接続ディスクにファイルコピーが出来ない(もしくは10MB/s等ものすごく遅い)
と使い物になりません。PCIスロットを変えてみたりもしましたが不具合の状況は改善しませんでした。今回接続したHDDや使っているケーブルであるアイネックス ラッチ付 シリアルATAラウンドケーブル SATR-3107BKは、他で問題を起こしておらず正常動作品なので直接の原因ではありません。
しかし、HDD絡みのトラブルで「SATAケーブルを交換したら直った」という話をよく見るので、念のためSATAケーブルを交換してみたら、なんと不具合は解消し普通に動作するようになりました。
そういえば、検証環境構築時にANBE SATA 3.0 SATA 6Gb/s 拡張カードにアイネックスのラウンドケーブルを差し込んだ時、カチっと音がしませんでしたが(正確には挿し方によってはカチっと音がすることがあるんですが、しっかり挿さった感じがしない)、交換したSATAケーブルではカチっと音がしました。不具合の原因は、ANBEのカードとアイネックスのケーブルのコネクタ部分の相性問題だった模様です。
アイネックスのラウンドケーブルはマザーボードのSATAポートに刺したときはカチっと音がしますので、むしろ問題はこのANBE SATA 3.0 SATA 6Gb/s 拡張カードのコネクタ部分にある気がします。中華製なので精度が低いのでしょうか?
Windows 10での動作検証結果
消費電力の計測にはREX-BTWATTCH1を用い、1秒間隔で10分間計測し10%点のデータをアイドル時の消費電力としています。ドライバは前述のように、Windows 10の標準ドライバ「標準SATA AHCI コントローラー」2006/6/21 10.0.19041.1となります。
カード接続前の消費電力 | 11.7W |
カード接続時の消費電力 | 14.0W (HDD接続なし) |
ファイル書き込み | 特に問題なし(NTFSフォーマットで100GB程度テスト) |
アイドル時のスピンダウン | 一定時間アクセスがないとスピンダウンする |
S.M.A.R.T値の読み取り | OK (CrystalDiskInfo) |
カード接続時(HDD接続なし)で2.3Wの消費電力増なので、他のSATAカードと比較すると低消費電力という感じですね。HWiNFOで表示したカード情報は以下となります。
FreeNAS on ESXiでの動作検証
ESXiでの稼働のために、前述の環境から一部設定等を変更しています。SATAカードはESXiでゲストOSにパススルーします。
ホストOS | ESXi6.7 20200604 |
ゲストOS | FreeNAS 11.3-U3.2 |
BIOS設定 | VT-xとVT-dの有効化 |
消費電力の計測にはREX-BTWATTCH1を用い、1秒間隔で10分間計測し10%点のデータをアイドル時の消費電力としています。
カード接続前の消費電力 (ESXiのみ起動) |
14.6W |
カード接続時の消費電力 (ESXiのみ起動) |
16.9W (HDD接続なし) |
FreeNASへのパススルー | OK |
FreeNASでのカードとディスク認識 | OK (自動認識) |
RAID-Zへのファイルコピー | OK (同一カードを2枚使いST4000DM000x3でRAID-Z、 100GB程度のコピーテスト) |
FreeNASでのS.M.A.R.T値の読み取り | OK (smartctl -a) |
なお、パススルーをしない場合、ESXi6.7のストレージアダプタのリストで、何故かこのカードは「ASM1062 Serial ATA Controller」と表示されます(実際のチップはASM1061)。