JETWAY NF592-Q170
ESXi用の小型PCとして我が家で活躍中のMini-ITX JETWAY NF592-Q170を搭載したマシンです。
ケースはmini-box社のMini-ITX用のケースM350で、筐体サイズが幅19.2cm 奥行21.0cm 高さ6.2cmと非常にコンパクトなので、我が家ではシューズクローゼット等の狭い場所に設置していたりします。
なんと小型の筐体ながら、8ポートものIntel NICを搭載しています。小型のNUCとかですと、NICは1ポートが普通で、稀に2ポートのものとかもありますがモノが限られます。ESXiを搭載しルーター代わりに使うとか、ネットワーク機器テストに使おうとするとどうしても多数のポートが欲しくなります。色々探し回ってて、中々いいのが見つからない中、出会ったのがこのJETWAY NF592-Q170です。NICは右からIntel I219、I211x7と8つあるのでポート数に全く困らないのがGood。しかも全て安心のIntel製。NICが足りない場合安いUSB 3.0のNICとかをESXiに認識させてもいいのですが、追加ドライバが必要であったり速度が安定しないなど、やはり王道のIntel製にはかないません。さらにこのマザーはコンソールポートもあるので、ヘッドレスのESXiインストール等も出来るようです(試してませんが)。
ちなみに、筐体から飛び出しているケーブルはHDMIケーブルになります。バックパネルには写真のようにHDMIケーブルを通す穴がないので、バックパネルを付けずに運用しています。基本、サーバー用途のマザーかと思いますので、HDMIケーブルは初回インストールの時以外は外して使えということでしょうか?
筐体内部の写真です。M350には電源を搭載するスペースがないので、同じくmini-box社のpicoPSU-160-XTを使用しています。上部には2.5インチHDD/SSD搭載スペースもあり、最大2台まで搭載可能ですが、排熱を考えて1台搭載で運用しています。今時2TBのSSDも3万円くらいで買えちゃうので1台運用でも問題ありませんね。
CPUクーラーについては高さ制限があるので、かなり選択肢が少なくなるのが一つネックでしょうか。写真に写っているのはThermaltake Engine 27で高さがわずか27mmながら、それなりに冷えて、また最大回転時も騒音レベルは一定以下に抑えられています。
利用中の構成
現状以下の構成で運用しています。
パーツ | 製品名 | 備考 |
OS | ESXi 6.7.0 Update 2 (Build 13644319) | 追加ドライバ不要でインストールできます |
ケース | mini-box M350 | |
PSU | mini-box picoPSU-160-XT | ACアダプタはAmazonで購入した格安ACアダプタを使ってます |
マザー | JETWAY NF592-Q170 | 米Amazonで$259.85で購入 チップセット Q170 第6世代と第7世代のIntel CPU対応 |
CPU | Intel Core i5-7500T | TDP 35W / 4C-4T / Base 2.7GHz /Turbo 3.3GHz / vPro対応 |
クーラー | Thermaltake Engine 27 | 高さ27mm |
メモリー | DDR3L-1600 8GB x2 | |
SSD | SanDisk X400 SSD 512GB |
このマザーの最大搭載メモリは8GB x2と多数のVMを動作させるにはやや物足りない点、マザーにM.2スロットがないので、2.5インチのHDD/SSDを上部に設置する必要がありクーラーの高さに一定の制限が課される点が不満です。
消費電力・発熱・騒音
上記構成時における各種計測値になります。以下の計測時は、NIC1ポートリンク、HDMI接続なし、USB接続なし、ESXiの電源管理はバランシングの状態です。
状態 | 消費電力 | 騒音 | 備考 |
電源オフ | 1.8W | ||
アイドル | 18.6W | 47.3db | |
低負荷 | 22.9W | 47.3db | 4VM(5vcore)稼働時 |
フルロード | 47.5W | 56.0db | VMのWin10に4CoreをアサインしCinebench実行 ESXi WebClient画面でのCPU 100% |
消費電力はTAP-TST10での目測値、騒音計はPC上部距離1cmでサンコー 小型デジタル騒音計 RAMA11008を使いました。アイドル時は1mくらいの距離でシャーッとファンが回っている音が聞こえますが、そこまで耳障りではないですが、フルロード時はそれなりにファンが高速回転で回ってやや耳障りです。CPUがT付きのものであり、ファンもそれなりに回っているので、筐体の温度は特に高くなっていません。
なお、アイドル時にNICへのLinkを1ポート増やすたびに約0.4W消費電力が増加します(8ポートリンク時で21.5W)。
スループット
本PCは各ネットワーク機器のスループット測定に使っています。対象機器よりも性能が高くないと意味がないので、仮想マシンとしてはどの程度スループットが出るのか計測しました。
構成 | スループット |
同一ポートグループ下のCentOS(vcore1)間でiperf3 | 23.9Gbps |
同一ポートグループ下でDebian9(vcore1)間をIPsec(AES128-SHA1)接続 それぞれの配下のCentOS(vcore1)間でipsef3 |
1.11Gbps |
Core i5-7500Tという比較的低クロックのCPUで、VMには1coreしか割り当てていませんが、IPsecでも1.11Gbpsのスループットが出ています。各種ルーターのIPsecを含めたスループット計測には問題ないことが確認できました。