NEC UNIVERGE IXシリーズでのDDNS更新
NEC UNIVERGE IXシリーズでは、NetMeisterというサイトに無料のIDを登録することで、IXシリーズに動的に付与されたIPv4アドレスやIPv6アドレスをDNS登録することが出来ます。Firmwareのバージョンが9.7以上である必要がありますが、ヤフオクでゲットしたIX2105のFirmwareがVer10.1.16であったので、試しに使ってみました。
NetMeisterを使ったDDNS登録
NetMeisterに事前登録するグループIDはドメイン名の一部を構成するので、この点だけは注意が必要です。私の今回のテスト環境では、以下のようにGigaEthernet0.0にDHCPでIPv4アドレス付与、GigaEthernet1.0にDHCPv6でIPv6アドレス付与という状況です。
Interface GigaEthernet0.0 is up, line protocol is up Internet address is 202.156.17.125/21 Interface GigaEthernet1.0 is up, line protocol is up Global address(es): 2404:e800:e620:98:260:b9ff:fe4f:54c3 prefixlen 64
この状況で、
nm ip enable # IPv4を使って情報更新を行う nm account wharfres password plain xxxxx # accountにはグループIDを使用 nm sitename wharf nm ddns hostname ix2105 # DNS登録するホスト名 nm ddns notify interface GigaEthernet0.0 protocol ip # GE0.0のIPv4アドレスを登録 nm ddns notify interface GigaEthernet1.0 protocol ipv6 # GE1.0のIPv6アドレスを登録
とすると、以下のようにDNS登録が行われました。
FQDNは
IPv4の場合 ・・・ (hostname).(グループID).nmddns.jp
IPv6の場合 ・・・ (hostname).(グループID).v6.nmddns.jp
と別々に登録されるようです。なお、
nm ddns notify interface GigaEthernet1.0 protocol ipv6 nm ddns notify interface GigaEthernet0.0 protocol ip
の部分を、
nm ddns notify interface GigaEthernet0.0 protocol ip
とだけすればIPv4アドレスのみ登録で、
nm ddns notify interface GigaEthernet1.0 protocol ipv6
とだけすればIPv6アドレスのみ登録することも出来ます。
コマンドリファレンスから判断するに、アドレスは機器毎に一つしか登録できないみたいなので、PPPoEを2セッション使ったマルチホームな環境の場合には、一つしか登録できないみたいです。
一般のDDNSサービスの利用
IXシリーズはでは一般のDDNSサービスを利用することも出来ます。YAMAHAのRTXシリーズ等には一般のDDNSサービス利用機能はないので、この点はナイスですね。一般のDDNSサービスでは
http://{username}:{password}@xxx.xxx.xxx/update?hostname={hostname}&myip={ipaddress}
のようなHTTPやHTTPSアクセスで、IPアドレスの登録が出来るようになっていることが多く、IXシリーズではこの形式でのIPアドレスの通知に対応しています。
Dyn(有料)
以前はDysdnsと呼ばれていた超老舗のDDNSサービスです。公式ページはこちらです→Dyn.com
公式ページに説明があるように、
https://{user}:{updater client key}@members.dyndns.org/v3/update?hostname={hostname}&myip={IP Address}
の形式でHTTPSアクセスをすることで指定のhostnameのIPアドレスを登録可能です。{IP Address}の箇所はIPv4、IPv6に対応しており、両方を登録したい場合にはカンマ区切りで並べてあげればOKです。IXでのIPv4アドレス登録のconfigは以下となります(太字の箇所はご自分の環境に合わせて変更して下さい)。
ddns enable ddns profile dyndns url https://members.dyndns.org/v3/update query hostname=xxx.xxx.xxx&myip=<IP4> account xxxxx password plain xxxxx transport ip source-interface GigaEthernet0.0 ddns update dyndns
Dyn自体は、IPv4とIPv6のアドレス同時登録に対応しているので、IPv6アドレスも同時登録したい場合には
query hostname=xxx.xxx.xxx&myip=<IP4>,<IP6>
としたいところですが、IXシリーズではIPアドレスを通知可能なインタフェースは一つに限られているので、DHCPv6(ひかり電話ありの環境)でLAN側だけにIPv6アドレスが付与されている場合には、詰んでしまいます。
query hostname=xxx.xxx.xxx&myip=<GE0.0:IP4>,<GE1.0:IP6>
って感じのコマンドを受け付けてくれればいいんですけどね。なんでこう設計しなかったのか逆に不思議ですけど。NECさん、改善おねがいします!
IPv6の登録も必要がある場合には仕方ないので、IPv6用の別ホストを登録し、以下のようにconfigを追加します。
ddns profile dyndns-ipv6 url https://members.dyndns.org/v3/update query hostname=xxx-v6.xxx.xxx&myip=<IP6> account xxxxx password plain xxxxx transport ip notify-interface GigaEthernet1.0 source-interface GigaEthernet0.0 ddns update dyndns-ipv6
MyDNS(無料)
MyDNSへのIPアドレス登録(通知)方法はNECの公式ページに説明がありますので、その通りにやればOKです。IPv4アドレスの登録は
ddns enable ddns profile mydns url http://www.mydns.jp/login.html account xxxxx password plain xxxxx transport ip source-interface GigaEthernet0.0 ddns update mydns
IPv6アドレスの登録は
ddns enable ddns profile mydns-ipv6 url http://www.mydns.jp/login.html account xxxxx password plain xxxxx transport ipv6 source-interface GigaEthernet1.0 ddns update mydns-ipv6
とすればOKです。私の環境ではIPv4アドレスはGigaEthernet0.0、IPv6アドレスはGigaEthernet1.0に付与されるという状況ですが、MyDNSの場合には上記のように逐次にそれぞれ登録すれば、同じFDQNに対してIPv4(Aレコード)とIPv6(AAAAレコード)を同時に登録できます。
no-ip(無料)
公式ページに以下の形式のHTTPアクセスでIPアドレスの更新が可能と説明があります。
http://username:password@dynupdate.no-ip.com/nic/update?hostname=mytest.testdomain.com&myip=1.2.3.4
これに従って以下のconfigで更新が可能です。
ddns enable ddns profile no-ip url http://dynupdate.no-ip.com/nic/update query hostname=xxx.ddns.net&myip=<IP4> account xxxxx password plain xxxxx transport ip source-interface GigaEthernet0.0 ddns update no-ip
no-ip自体はIPv6アドレス登録にも対応しているようですが(少なくともサイトからのマニュアル登録はOKだった)、私が試したところ、IXシリーズからのIPv6アドレス登録はうまく動きませんでした。
UNIBERGEではなく UNIVERGEですし、
ヤマハにも無料のネットボランチDDNSサービスがあります。
ご指摘ありがとうございます。記事を修正しました。