RTX830のルーティング スループット
現状私の環境では3つの拠点にそれぞれRTX1210、RTX1210、ER-4を入れてsite-to-siteで接続しており、RTX1210とER-4のsite-to-siteではWindowsのファイルコピーでも30MB/s程度のスループットが出ます。これでも十分なのですが、ER-4のIPsecスループットは300Mbps程度でこれが頭打ちになって速度が抑えられている可能性があり、前から気になっていたYAMAHA RTX830をポチってみましたので、久々に各種計測をしてみようと思います。RTX1210よりも性能が良いという噂もあるのでちょっと興味深々です。
先ずはRTX830の基本的な性能を見るべく、LAN1-LAN2間の単純ルーティングでのスループットを測定してみました。
計測環境
LAN1配下にCentOS7 Aをクライアント、LAN2配下にCentOS7 Bをサーバーにし、iperf3を実行しスループットの測定を行います。RTX830のファームウェアはRev.15.02.13です。
計測結果
CentOS7 Aでのiperf3の実行結果が以下となります。-Mオプションを使ってMSSを変えてテストを行っています。TAP-TST10での目測値で、無負荷時の消費電力は4.4Wとなります。後で掲載のconfigにあるようにフィルタ等は一切設定しておりません。
sender | receiver | |||||
MSS | Mbps | CPU | 消費電力 | Mbps | CPU | 消費電力 |
1460(指定なし) | 942 | 22% | 4.7W | 942 | 23% | 4.7W |
1200 | 930 | 26% | 4.7W | 930 | 27% | 4.7W |
800 | 898 | 46% | 4.7W | 898 | 46% | 4.7W |
400 | 812 | 43% | 4.7W | 812 | 44% | 4.7W |
RTX1210の結果とほぼ同じとなりました。ただし、RTX1210はシングルコアであるのに対してRTX830はデュアルコアなので、高負荷時にもCPUの余裕があります。エントリーモデルをデュアルコアにしたあたりはYAMAHAさんに好感が持てますね。
RTX830のConfig
以下のように非常にシンプルなconfigで検証しています。フィルタやNATの設定はありません。
ip lan1 address 192.168.100.1/24
ip lan2 address 192.168.200.1/24
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24
dhcp scope 2 192.168.200.2-192.168.200.191/24
計測結果(IPv6)
要望があったので追加で計測してみました。CentOS7 Aでのiperf3 -c [CentOS7 BのIPv6アドレス] -6の実行結果が以下となります。
sender | receiver | |||||
MSS | Mbps | CPU | 消費電力 | Mbps | CPU | 消費電力 |
指定なし | 929 | 21% | 4.7W | 929 | 22% | 4.7W |
1200 | 915 | 25% | 4.7W | 915 | 26% | 4.7W |
800 | 878 | 37% | 4.7W | 878 | 39% | 4.7W |
400 | 778 | 42% | 4.7W | 779 | 44% | 4.7W |
RTX830のIPv6スループット測定用Config
以下のように非常にシンプルなconfigで検証しています。フィルタやNATの設定はありません。
ipv6 prefix 1 fc00:0:0:1::/64
ipv6 prefix 2 fc00:0:0:2::/64
ip lan1 address 192.168.100.1/24
ipv6 lan1 address fc00:0:0:1::1/64
ipv6 lan1 rtadv send 1
ip lan2 address 192.168.200.1/24
ipv6 lan2 address fc00:0:0:2::1/64
ipv6 lan2 rtadv send 2
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24
dhcp scope 2 192.168.200.2-192.168.200.191/24
iperf3の-Rオプション(Receiver)の測定値、およびIPv6のスループット計測値を公開して頂けると助かります。NVR500のIPv6では、実環境測定ですがLAN2->LAN1方向で?な測定値が観測されます。
ご要望に応えて、iperf3のIPv4の-Rオプションの計測結果と、IPv6の計測結果を追記しました。NVR500についても計測してみました。
NVR500のルーティング スループット
迅速な計測値公開ありがとうございました。
加えて、NVR500のルーティング・スループットも公開頂き、大変参考になり助かりました。ありがとうございます。
ヤマハNVR/RTXのfastpath情報によれば、rtx810は、crypt engineを持ち、nvr500のL2TP/IPSecより処理能力が高そうに思いますが、いかがな状態でしょうか(同様にrtx830/nvr510)?