LSI SAS 9201-16e(HBA)を試す

Windows 10でのファイルサーバー又はFreeNAS on ESXiでの活用のために、LSI SAS 9201-16eを買ってみました。外部16ポートのHBAカードとなります。米Amazonでバルク品が$64.5と16ポートの割には格安です。本当は内部ポート16のLSI SAS 9201-16iが欲しかったんですが、こちらは$224とちょっとお高いです。

 

Windows 10での動作検証

検証に使った環境は以下となります。

OS Windows 10 Pro 2004 19041.388
Mother Asus H270M-PLUS (BIOS 20200108 1605)
CPU Core i7-7700K
Memory ADATA DDR4 2400 8GBx2
PSU KRPW-TI500W/94+
SSD M.2 WD Grenn 240GB
Cooler 虎撤2
Chipset Driver 20200507 10.1.18383.8213
Display Driver 20200626 27.20.100.8336
LAN Driver 20200615 25.1.1
Intel ME Driver 20190326 1909.12.0.1236
Audio Driver 20171228 6.0.1.8273
Intel RST インストールなし
BIOS設定 EPU and Performance Mode→Max Power-Saving Mode
利用PCIスロット PCIe x4 slot (x16形状)

起動時に表示される画面からすると、今回試したカードのFirmwareのバージョンはSAS2116-IT 7.00.00.00となります。Windows 10 2004ではドライバのインストールなしに、記憶域コントローラー「LSI Adapter, SAS2 2116 Meteor ROC(E)」2017/08/02 2.0.79.82として認識されます。Windows 10用の専用ドライバーはない模様。

Windows 10での動作検証結果

消費電力の計測にはREX-BTWATTCH1を用い、1秒間隔で10分間計測し10%点のデータをアイドル時の消費電力としています。ドライバはWindows 10の標準ドライバ「LSI アダプター, SAS2 2308 Mustang」2017/08/02 2.0.79.82となります。

カード接続前の消費電力 11.7W
カード接続時の消費電力 27.2W (HDD接続なし)
ファイル書き込み 特に問題なし(NTFSフォーマットで100GB程度テスト)
アイドル時のスピンダウン 〇 (レジストリを修正することでSpindownするようになる)
S.M.A.R.T値の読み取り OK (3台接続時にCrystalDiskInfoで確認)

 

カードを装着しただけ(接続HDDなし)で15.5Wも消費電力が増えます。カード以外の全消費電力をカード単体で余裕で超えるとか・・・。さらに、標準状態では接続するHDDはアイドル時でもスピンダウンせず回転したままなので、この消費電力や発熱も気になります。ST4000DM000を3台接続時のシステム全体の消費電力はアイドル時で40W前後となります。

カードのヒートシンクがかなり熱いので、温度を計測してみると62.4℃とかなり高温。このカードは通常サーバーで使われるものであり、十分なエアフローがあることが前提となっているので、ファンなしだとこのようにかなり熱くなります。ちょっとクーラーなしだと不安になる温度です・・・。

私の使い方だと、ファイルサーバーは基本電源はオンにしたままとしますが、ファイル自体へのアクセスはほとんどしないので、アイドル時スピンダウンするかどうかを結構気にしています。アイドル時スピンダウンさせる方法はないかとググってたら、「LSI HBAs – drives don’t spin down under Windows (fix)」なるページを発見。ここで説明されているように、レジストリをいじってみます。

デバイスマネージャーで、このカードに標準で適用されたドライバーのプロパティを表示し、ハードウェアIDを確認します。私の環境ではPCI\VEN_1000&DEV_0064&SUBSYS_30D01000&REV_02
でした。

先に確認したハードウェアIDを参考にレジストリエディターで
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Enum\PCI\VEN_1000&DEV_0064&SUBSYS_30D01000&REV_02\4&798c2c0&0&00DC\Device Parameters\StorPort

を開き、新しい値(DWORD)追加で、名前を「EnableIdlePowerManagement」、値を「1」とします。

追加すると右の画面のようになります。この後、設定を反映させるために再起動をすると、アイドル時にこのカードに接続したHDDがスピンダウンするようになりました。

ST4000DM000を3台接続時でスピンダウンすると消費電力が10W程度下がります。

なお、HWiNFOで表示したカード情報は以下となります。

FreeNAS on ESXiでの動作検証

ESXiでの検証のために、前述の環境から一部設定等を変更しています。HBAカードはパススルーしてゲストで使います。

ホストOS ESXi6.7 20200604
ゲストOS FreeNAS 11.3-U3.2
BIOS設定 VT-xとVT-dの有効化

 

消費電力の計測にはREX-BTWATTCH1を用い、1秒間隔で10分間計測し10%点のデータをアイドル時の消費電力としています。

カード接続前の消費電力
(ESXiのみ起動)
14.6W
カード接続時の消費電力
(ESXiのみ起動)
30.6W (HDD接続なし)
FreeNASへのパススルー OK
FreeNASでのカードとディスク認識 OK (自動認識)
RAID-Zへのファイルコピー OK (ST4000DM000x3でRAID-Z、
100GB程度のコピーテスト)
FreeNASでのS.M.A.R.T値の読み取り OK (smartctl -a)

 

鉄板のLSIのカードだけあって、消費電力と発熱を除いて安定している感じです。

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